受講者レポート
◾️2026年3月8日俳優クラス⑱
個々の課題と対策指導
講 師:三谷一夫
今回は『ハッシュ!』を用いて脚本読解と芝居を行った。
いつもの脚本読解の通りに主人公を全員で考えていくが、朝子と直也と勝裕の3人に大きく分かれた。特別大きな変化をしていないことや、登場人物に多くの障害や葛藤となっているものがたくさんあることなどから、受講者たちは主人公を誰と読めば良いのか頭を悩ませた。しかし、受講者それぞれがなぜその人物を主人公として読んだのかについては、はっきりとした理由を持っていた。脚本読解とは、三谷さんも前に言っていたように答え合わせをするものではなくどのように読み取り、どの人物から物語を捉えるのかを考える時間なのだと改めて感じた。
芝居は6つのシーンに分かれて行われた。その中でも一番難しそうだったのが、直也とその母の克美のシーン。直也の家に突然母の克美が来て直也に色々なことを言ってくる、という場面だったのだが、克美のペースが崩れてしまうと一気にその場の空気が切られたような感じがしてしまった。この親子の力関係やこれまでの背景をしっかりと持ちながら演じる必要 があるなと思った。また、ト書きについての指摘もあった。それは、ト書きに「扉を開ける」とあった時に、その場に扉はないのにエアーで開ける動作をしてしまうこと。開けるマネをすることになるのなら無理にエアーの動作をするのではなく、他の動作で表現した方が良いとアドバイスがあった。
ト書きをそのまま再現するのではなく、その場の状況に合わせてどう表現するのがベストなのかを考える必要があるのだと学んだ。そして、ト書きはただの段取りではなく、ト書きの前には必ずその人物の「気分」があるとアドバイスがあり、その人物がどのような気持ちでその行動を起こしているのかを考えるのが大切だと学んだ。
他のシーンで受講者の多くに共通していた課題が「動いてしまう」こと。セリフの有無に関わらず、フラフラしてしまう癖が出てしまっていた。三谷さんからは「そんなに動かなくても、カメラは心の揺らぎを映してくれている」とコメントがあった。動きばかりで表現しようとしたり身体で相手のセリフを聞くのではなく、人物の内面を大切にすることを意識して いきたい。
最後に三谷さんからは「皆、自分たちの課題が分かってきたように思う。だんだんと芝居が削ぎ落とされていくとセリフではないところで勝負ができてくる」とコメントがあった。 これまでのワークショップから、受講者の芝居はどんどんと良くなり、芝居も余計なものがつかなくなってきたように思う。次回で最終回となってしまうので、これまで学んできたこ とを存分に活かして最後のワークショップに取り組みたい。