受講者レポート
◾️2025年12月27日俳優クラス⑦
映画監督実習④
講 師:三谷一夫
ゲスト:白羽弥仁(映画監督)
今回は前半に三谷さんが「オーディションの審査に通過する芝居」をテーマに『フラガール』を用いた芝居と、後半は白羽弥二監督をお迎えしたワークショップだった。
『フラガール』は、居酒屋で洋二郎がまどかに、妹の紀美子を支えてほしいと頼むシーンと、紀美子が早苗と一緒にフラダンスを辞める、と告げる2つのシーンに分かれた。まずは1回ずつ全組芝居をする。
2回目は、気になるところがあれば、受講者になぜその行動をとったのか、人物の特徴に触れたりなど芝居を止めながら進められた。洋二郎とまどかのシーンで指摘が多かったのは「芝居が流れている」ということ。居酒屋に入ってきた洋二郎が、すぐにまどかのもとへ行き、横に座るという行動は本当にその人物なら有り得るのかという問題が挙げられた。
改善していくうえで、洋二郎の置かれた状況や性格を掘り下げていくと、洋二郎の「ゆらぎ」が見えて、受講者の芝居が変わった。と、同時に洋二郎の芝居が変わればまどかの芝居も変わった。また、物語の季節はいつなのか。「オーディションの審査は朝から晩まで行われ、同じことの繰り返しを見ているので、冬ならば上着を着るといった細かいところが合否の分かれ目となる」と三谷さんから助言があった。
まどかに関しては、手持ち無沙汰になると目の前にある飲み物を理由なく飲んでしまうことや、洋二郎役の人が変わってもまどかの芝居があまり変わらないといった課題があった。本来なら、相手役が変われば、その都度受ける反応も変わってくるはず。不器用で人に頼るのが苦手なまどかが「一杯付き合え」と言われて素直にビールを手に取るのか、相手にセリフを言われたからセリフを返すのか。今回の芝居の改善点は人物の内面を探っていけば解決する問題ばかりだった。オーディションでは、審査課題を事前に渡されるものもあれば、当日に渡されるものもある。そして、今回のように長い時間を使って課題を考える時間もない。どれだけ瞬時に脚本を読み込むことや、相手に反応していくことの重要さを感じた。
後半の白羽弥二監督のワークショップでは、地下アイドルの解散危機から物語が展開される監督のオリジナル脚本を課題に進められた。今まで2人芝居が多かったが、今回は4芝居。テンポ感が求められ、いつもとは違う芝居のアプローチで取り組んだ。
監督からはセリフを言った後に息が十分出せていないことや、ずっと芝居が一本調子だと指摘があった。いつもとは違う芝居のアプローチでも、息をすることや感情の流れはどの芝居にも共通していることだと改めて感じた。最後には受講者から「どういう俳優が増えていってほしいか」と質問があった。監督からは「役者+社会に対して見開いていること」と答えがあった。例えば、役者+小説家や、役者+監督など、何かを突き詰められることが俳優としての振り幅を広げていくのだと感じた。