受講者レポート
◾️2026年1月10日俳優クラス⑨
映画脚本読解+演技実践
講 師:三谷一夫
2026年一発目となる第9回目のワークショップが行われた。今年度のワークショップは、課題となっていた『マイスモールランド』の芝居から始まった。主人公であるサーリャと、サーリャが働くバイト先の聡太が河川敷で会話をするシーンを二人ずつ順番に行った。
一巡目が終わったあと、三谷さんが軽く講評をし、脚本読解を始める前の段階として重要なステップを確認し、共有した。
1つは「脚本の背景を知ること。」その脚本はどのような時代設定で、どのような事がテーマとして描かれているのか。脚本の背景を学ぶことが作品の世界観を掴むことに繋がる。
もう1つは「作り手の視点を持つこと。」監督や脚本家が、何を考えてその脚本を作ったのかを知ることで、俳優自身も作り手としての視点を持って、作品に参加することができる。
それらを理解した上で『マイスモールランド』の脚本読解に入った。それぞれが考えてきた三行ストーリーを発表し、他者の考えを吸収した。その後、三行ストーリーを作るヒントとなる、「主人公の願望」や「葛藤」などの物語の要素を読み解き、脚本の核となるスルーラインを考えた。今回の『マイスモールランド』では、クルド人難民問題をテーマに、一人の女性がたくましく生きる姿の美しさや、女性がそうあって欲しいという願い、「生きる場所は自分で決める」というメッセージが込められている。
脚本読解で得たものを手に、2回目の芝居に取り組んだ。この回では気になるところがあればアドバイスが入った。サーリャが初めて本当の自分のことを話すこのシーンでは、サーリャや聡太の中にある葛藤がゆらぎとして芝居に出ているかがキモとなる。空気を作ろうと意識してしまうと、逆に二人の間に流れるものが消えてしまう。それぞれが持つ願望や、シーンの要点は抑えた上で、芝居中は目の前の会話に集中することで、空気が流れる芝居となる。アドバイスがあった後、芝居をする二人の間には自然と「二人の空気」が少しずつ流れるようになる感覚があった。それは芝居をするペアごとに違っていて、前回の課題であった「相手によって芝居が変化しない」というところにも変化が訪れている証拠かもしれないと感じた。
二回目の芝居が終わった後講評があり、それぞれの良かった点、改善すべき点を確認した。全体では、「二人の空気を大切にすること。」「自分の気持ちを優先して、やりたくなったら行動すること。」などが挙げられた。「会話」をきちんと行うことによってシーンは成り立っている、という重要性とそれを芝居で行う難しさを再確認できた。