1月25日俳優

受講者レポート

◾️2026年1月25日俳優クラス⑫
映画脚本読解(中級)
講 師:三谷一夫

今回は脚本読解から芝居をするワークショップだった。課題の脚本は『わたしのお母さん』。受講者は事前に1冊の脚本から読解に取り組み、それをワークショップで全員と共有していく。

まず、物語を3行にまとめた「3行ストーリー」を発表していく。それぞれ選ぶ言葉は違うが、大体の内容は全員一致していた。次に主人公が物語の中で果たしたい目的を考えていくが、ここで少し詰まってしまう。この目的が曖昧になっていると演じる時にもその人物が見えてこなくなる。人物は根元の部分でどう思っているのかを見つけることが、芝居をより良くさせるために重要であると感じた。

人物の目的から、その目的を達成させるのを邪魔している外的葛藤と内的葛藤を考え、この物語の中で一番大事なシーンは何かを読み解き、芝居へと移った。芝居の課題は主人公の夕子と妹の晶子が、昔の母との思い出話をするシーンと、夕子が母と言い合いになった後に、旦那の信二が夕子を慰めるシーンに分かれた。

夕子と晶子のシーンでは晶子役の受講者が行き詰まってしまった。ここはただの思い出話ではなく、姉妹で抱いている母との記憶や距離感が浮き彫りになり、それを夕子が受け取る重要なシーンだった。しかし、その前提を読み取りきれなかったのか、表面的な会話になってしまい人物同士の関係性が見えなかった。

夕子と信二のシーンでは夕子が信二に凭れるというト書きがあった。芝居を始める前に、どこにどのように凭れるのかを事前に確認しておくことが大事だと、芝居を始める前の行動にアドバイスがあった。ト書きも曖昧にしてしまうと、芝居をしている自分たちだけではなく、見ている方にも人物の関係性や心情が伝わらず、脚本読解でも芝居の中でも、曖昧な部分を残しては人物が成り立たず何も伝えられないのだと強く実感した。

前回の柳監督のワークショップでも感じたことだが、人物を曖昧なままにしてしまうとそれが身体の揺れにつながってしまったり、焦ってしまったりなど「自分」としての戸惑いが役を邪魔してしまう。人物としてその場に存在するには、曖昧なまま立つのではなく、脚本をしっかりと読解し、目的や関係性を明確にすることが芝居を成立させるための土台であると気付かされたワークショップになった。