11月16日俳優

受講者レポート

◾️2025年11月16日 俳優コース④
映画脚本読解(基礎)①
講 師:三谷一夫

 脚本読解を始める前に、これまで2回芝居をしてきて全員が何を感じていたのかを共有していった。その中で「緊張してしまい、セリフが飛んでしまったり頭では分かっているのに体が固くなってしまい思い通りにならなかった」というものが多く見受けられた。これを受け、三谷さんは「単純に体をコントロールできていないだけで、息が止まっている。だから、ヨガとか日本舞踊などで常に息をする訓練をした方がいい」と助言した。矢崎監督も呼吸について言っていたように、日々無意識にしている呼吸を芝居では意識する必要がある。意識が無意識を超えることは難しいかもしれないが、改めて呼吸の使い方を考える機会となった。

本題の脚本読解へ。まずは「オーケストラ」を例に、なぜ脚本読解が重要なのかということについて話があった。オーケストラで全体をまとめる「指揮者」が映画製作においては「監督」であり、作品を一つにしている「楽譜」が「脚本」である。各奏者が自由に楽譜を解釈して演奏していては曲は成り立たないのと同じように、映画製作でも各部署が自由に脚本を読んでいては作品は成り立たない。

この例だけで、作品を一つにまとめている土台(楽譜や脚本)を読み込むことの重要性が分かった。特に俳優部には脚本読解が求められると感じた。俳優部のもとに脚本が届くのは遅く、何年もかけて作られた脚本を短期間で読み込み理解しなければならない。以前、「監督の意図を翻訳したものが‘‘脚本’’であり、その翻訳されたものをさらに読み解いて翻訳するのが‘‘俳優’’だ」という言葉を目にしたことがあるが、その意味をより理解できた。

次に『桃太郎』について考えた。幼い頃に誰もが読む話だが、この話は続きが気にならないし、特に面白くない。その理由として、葛藤がないからだということに気がついた。グループに分かれて桃太郎の話の中にどんな葛藤があればいいのかを考え、全体に共有した。「鬼ヶ島へ行くのを止められてしまう、鬼にも家族がいる」など様々な意見が出た。葛藤があることで面白さが増したことを実感し、物語の中の葛藤がいかに重要かを知った。そして課題である『夏がはじまる』を読解していく。1人1人、この話の3行ストーリーを発表していき、次に葛藤の中でも外的葛藤と内的葛藤を考え、この作品は何の話をしているのかを考えていった。内的葛藤については脚本には書かれていないので、多くの受講者の頭を悩ませた。読解するにつれ様々な意見が飛び交う中、三谷さんは「主人公はどんな人か、を考えた時に暗い人だと思ったら明るい部分は無いかを探す。セリフを信じずに疑う」など、答えを探すのではなく色んな捉え方をすることが大事だとアドバイスがあった。

最後に芝居へと移った。脚本読解を経たことで読解前とは違う感覚が生まれたように感じた。1組1回ずつと短時間ではあったが、読解を踏まえて芝居に臨むことで、密度の濃い芝居ができたように思えた。話を聞く中でも芝居をする中でも脚本読解がいかに重要なことなのか、身をもって実感できたワークショップとなった。